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2009年05月18日(月)更新

企業評価2-2 (中小企業の株価の考え方№3)

≪続き≫

【損益部門での修正事項】  

1. M&Aでは退任する役員と、買い手企業から常勤で派遣される新経営陣の

報酬額を、業界の一般的な水準に訂正しその差額を反映させます。

2. 会社で掛けている役職員保険などは必要なものと、そうでないものを選別。

3. オーナーの意図で恣意的に操作していることがあれば調整。

4. 賃貸収益や配当など本業以外から生まれる収益について、その継続性を検証。

5. 会社の総資産からみた収益を検証。

・ 例えば、借入金も含め総資産が10億円ある企業が一年間に生み出す利益が

5,000万円だったとします。

その一方で、総資産が5億円の企業が生み出す利益は5,000万円だったとします。

・ 同じ5,000万円でも、総資産が小さい企業の方が収益率が高い企業となり、

企業価値も高いことになります。 いわゆる、総資産利益率(ROA)をみます。

上記事項を一つずつ検証していき、実際の収益力を算出します。

次に、その収益を年倍法で、何年にするかを検証しますが、これは業種や、マーケ

ット動向に応じて、その時々で変わってきます。

【検証する主な確認事項】

① ビジネスモデルが、これからの時代にあっているかどうか。

② 取引先の確認(口座の価値や与信状況によっても変わってきます)

③ メーカーの場合は、何と言っても技術の評価だと思います。

・技術力評価のポイントは、たとえどんなに素晴らしい内容のパテントを保有していたとしても、

そこから収益が上がっていなければ評価できないということです。

④ そして、最後に人材(人財)

・ 私の場合、会社や工場を訪問するときに、従業員の働いている姿や挨拶、

トイレチャックなどをすることを心がけています。

以上のようなことをふまえ、総合的に判断して評価します。

この続きは、また次回とします。