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2010年01月25日(月)更新
中小企業経営者のためのM&A【実践編】vol.9 急がば回れ
≪急がば回れ≫
企業再生のような目先の資金繰りに行き詰まっている場合は、外科的な処方を
することにより本業の儲け(営業キャッシュフロー)が果たしてどうなのか、
などを検証するため先ずはデューデリ・ジェンス(=DD)に着手します。
その精査を経て候補先(スポンサー)と具体的な交渉ステージへと進めていきます。
それに対し後継者不在型等、今すぐに会社を売却する必要がないケースではどうでしょう。
オーナー経営者の意向もふまえて、事業(ビジネス)を成長させるシナリオを前提に
交渉を進めていくことになります。お互いに歩み寄りの精神で進めていきます。
お互いの成長シナリオを検証しつつ、DDに着手する前に以下の項目などを検証
していきます。
対象企業のP/LやB/Sは当然ながら、業務上や取引先との基本取引形態、係争関係、
労災問題、株主の変遷(実質株主は誰か)などをチェックします。また店舗を
賃貸借している場合は、賃貸借契約の確認も重要です。
そして何より検証しておかなければならないことが簿外負債の可能性です。
しかしこれら全てを網羅することは実際問題として不可能です。従い通常、
売買契約書(表明保証)等で対応していきます。
ちなみに簿外負債の代表的なものとして環境問題があります。廃棄物処理、
有害物質の取り扱い、近隣住民からの苦情、土壌汚染など、一見視察しただけ
では判断がつきません。
特に対象企業がメーカーの場合は、環境DDを実施する前に、問題点が出た場合の
取り決めをしておくことをお勧めします。
要するにDDでいきなり精査するというのではなく、事前に問題を指摘しお互いに
議論しておくことが重要であるということです。
そしてそれをふまえ専門家による企業精査を実施します。その方が後々の交渉が
スムーズになります。
如いては成約への近道といえるのではないでしょうか。
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