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2009年05月14日(木)更新

中小企業の株価の考え方 №1

『中小企業の株価』

中小企業の株価と言えば、通常、類似業種比準価額方式や純資産価額方式

収益還元方式などになりますが、

ここでは、M&A実行時の売買金額の参考として使用される株価

=すなわち“企業価値”のお話しをします。

先ず、“企業価値ってなんでしょう。” 

その1:有形資産と無形資産の価値を総合して評価したもの

収益だけではない。長年培ってきた取引先との信用・ブランド・技術力・又は苦楽を

ともにしてきた優秀な社員(人財)の価値など。

その2:投資業務から生み出すキャッシュフローから判断して評価したもの 

企業全体の収益源(本業と投資融資)が将来生み出すキャッシュフローを現在価値

に直したもの

(注)現在価値とは、将来のキャッシュが、現在のいくらに相当するかを割引して評価

した価値のこと。

ちなみに、土地の価格は「一物五価」といわれています。

では、企業価値は、というと、⇒ 「一物多価」という表現をすることができると思います。

企業価値は、上記、その1の無形資産の価値をどうみるかで、評価が大きく変わって

きます。

同じ企業であっても、“評価する側の見方次第で、価値観が変わる”ということです。

買収する側は、その企業の収益に魅力を感じているのか、それとも、技術力なの

か、人材なのか、取引先なのか、それぞれに思惑があります。

また、経営権の移譲が発生する株式譲渡は、発生しないときの企業評価よりも当然

高くなります。同じ株価にはなりません。

ということは、本来、企業の真の価値を評価するということ自体非常に難しいというこ

とです。

真の価値は、もしかしたらオーナーといえども、だれもわからないと言ったところでし

ょうか。

それじゃ、話が前にすすみません。

問題は、これからです。≪次回へつづく≫