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2009年07月23日(木)更新

キリンビールとサントリー

キリンビールとサントリーの統合交渉があきらかになってから10日以上が経過したが、

専門家やマスコミ、評論家、世間の評価は高い。

統合比率、ブランド、企業文化の違い、上場と非上場、従業員の給与・人事体系など、

経営統合に向けていくつものハードルがあるものの、いずれも乗り越えられる問題

だと私は思う。それは、それ以上に経営統合する価値があるからだ。



ただ、一つだけ気になっていることがある。



それは、今日の日経新聞にも掲載されている

キリンホールディングス加藤社長のコメントにある「対等の精神」についてだ。

一見聞こえはいい。また双方の社員にとっても反発の少ない言葉である。

でも実は、この言葉の裏側にはマネイジメントが上手くいくか、いかないかの要素が

秘められている。過去のメガバンクのときもそうだったように。


あくまでも個人的な見解だが、

“組織経営において重要事項の最終決済権とその責任者は「一人」”というのが

私の持論だ。(取締役会の承認はあくまでも手続き上のこと)


対等だと経営統合に向けての交渉はやりやすい。

しかし、経営統合後のマネイジメントはやりにくい。


これが障害にならなければいいなと思っている。

加藤社長の「対等の精神」と「対等合併」は違うというコメントからもうかがえるように

これはナーバスな問題。


今回の経営統合に向けた最大ハードルは経営統合したあとのマネイジメント(=PMI)

ではないだろうか。

やっかいなのは、そのハードルの高さは経営統合してからでないとわからないということ。


とは言っても私は、キリンビールとサントリーが日本を代表する世界に誇れる

飲料メーカーに成長していくことを切実に願っている。


※ (PMIについては、6月2日のブログを参照)