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2010年06月26日(土)更新

技術を継承することの現実

我々の仕事は、ときに従業員からすると受け入れがたい、信じがたい商売かも知れません。

経営者とともに、従業員の将来のこと(安定的雇用)を願って進めている交渉も、従業員からみれば、会社乗っ取りというイメージに写るのかも知れません。

中小企業のM&Aの成約事例が最近多くなってきました。しかし優良企業で、かつ技術・ノウハウがありながら、ただ本当に後継者がいなかったばっかりに第三者へ経営権を譲渡しなければならない成約事例は、まだそんなにはないと思います。

普通に考えれば、自分が築いてきた、しかも儲かっている会社を他人に売却することなど一般常識ではありえないからです。

同時にそんな境遇のオーナーの気持ちを汲んで交渉ができるコンサルタントが少ないもの事実です。

世界の経済が大きく変わろうとしているなか、メーカーが成長・発展してくためには、人材の確保だけでは解決にならないという現実問題があります。

代表的なのが技術革新と設備投資です。そのためには開発資金や運転資金が必要となります。

では、それをどうやって調達していくのか。個人保証も含め大きな課題です。

資金調達が止まれば企業の成長は止まってしまいます。
そしてやがて衰退します。雇用を維持することができなくなってしまいます。

日本が長年培ってきた業(わざ)と技術、匠の世界を継承していくということは、正直、大変なことなのです。一言では説明できません。

そんな経営者の悩みを現場の従業員の方にもわかってもらえればという切実な願いで、そして結果として “ あのときの選択は正しかった ”と言われるそんなビジネスを心掛けています。