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2010年03月29日(月)更新
中小企業経営者のためのM&A【実践編】vol.10 ディスクロージャー
ディスクロージャー(Disclosure)
M&Aを進めていくなかで、絶対に失敗が許されないのがディスクロージャーです。
従業員への情報開示は、開示した以上後戻りはできません。
※ここでの情報開示は、上場企業の適時開示とは若干ニュアンスが異なります。
あくまでも中小企業を前提としています。
経営者同士の交渉は、結果として白紙になることもあるでしょう。
白紙撤回となっても次へと繋がっていきます。
でも従業員の場合はどうでしょうか。
自分たちの会社が「売りに出ている」という事実を知ったら、
どんなふうに受止めるでしょうか。
恐らく前向きに捉える従業員などいないのではないでしょうか。
従業員からしてみれば、会社の将来や経営方針の云々よりも、先ず第一に、
自分たちの処遇がどうなるのか、クビになるのか、継続して雇用してもらえるのか、
給与はカットされないか、などを考えるはずです。
そして有能な社員ほど次に身の振り方を考えるでしょう。
いくら社長が、「全員引続き雇用継続される、給与体系も今までと変わりません」と、
前向きな発言をしたところで、本心は信用していないものです。
社長(オーナー)の決断を理解してもらえるためには、残念ながら時間で
しかないと思っています。
この事例は、私が担当したある被買収企業に数年後に訪問して
従業員から実際に聞いた話を綴っています。
ということで、後戻りができないのです。後戻りしたら会社の業績に大きく
影響してきます。
だから開示するタイミングがとても重要になります。
また開示する順番もポイントとなります。
ちょっとしたノウハウが必要だと思っています。
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