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企業評価2-1 (中小企業の株価の考え方№2)

投稿日時:2009/05/16(土) 17:49rss

≪続き≫

【結論】

中小企業の株価を評価するとき、幾通りの評価方法があるなかで、

もっとも理にかなっている評価方法が、

時価純資産価額に収益を加算した方式であると思います。

幾通りの評価をやってきたなかで、最終的に辿り着いた私自身の結論です。

例えば、下記B/S(簿価)の会社から相談を受けたとします。

【 資 産 】    【 負 債 】
現預金   50   買掛金      200
売掛金  200
在庫    100  借入金       350
建物    100  【負債合計】    550
設備    100    
土地    200  【資本(純資産)】 210                  
保険積立金 10
【資産合計】760  【負債・資本合計】760

まず、会社に訪問して、財務・決算内容等についてヒアリングをおこないます。

その結果、以下のようなことが判明しました。

・売掛金は全て回収可能であり200で評価

・在庫は、簿価から20%減額し80で評価

・建物は、償却不足もなく100で評価

・設備は、償却不足額が10あり、90で評価

・土地は、含み損があり150で評価

・保険は、現時点の解約返戻金が簿価より多く20で評価

・退職給付引当不足が10あった。

すると修正したB/Sは以下のようになります。

【 資 産 】      【 負 債 】
現預金    50    買掛金      200
売掛金    200    
在庫      80   借入金       350
建物     100   退職給付引当金  10
設備      90   【負債合計】    560
土地     180   
保険積立金 20    【資本(純資産)】  160
【資産合計】 720   【負債・資本合計】 720

210あった簿価純資産が、時価に修正したら160になりました。

したがって、時価純資産価額は160ということになります。

次に、損益を修正します。

オーナー企業は、役員報酬が通常に比べ過分にとっているケース、

逆に、仕事上、赤字をだせないため、殆どとっていないケース、

また、必要以上に保険をかけているケースなど、そのスタイルは様々です。

そこで、適正と思われる水準に置き換えることにより、実際のところ、どれぐらい

儲かっているのかをみる必要があります。

それによって修正された収益が、のれん(営業権)を算出する根拠となります。

このつづきは、また次回とします。

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