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キリンビールとサントリー

投稿日時:2009/07/23(木) 16:55rss

キリンビールとサントリーの統合交渉があきらかになってから10日以上が経過したが、

専門家やマスコミ、評論家、世間の評価は高い。

統合比率、ブランド、企業文化の違い、上場と非上場、従業員の給与・人事体系など、

経営統合に向けていくつものハードルがあるものの、いずれも乗り越えられる問題

だと私は思う。それは、それ以上に経営統合する価値があるからだ。



ただ、一つだけ気になっていることがある。



それは、今日の日経新聞にも掲載されている

キリンホールディングス加藤社長のコメントにある「対等の精神」についてだ。

一見聞こえはいい。また双方の社員にとっても反発の少ない言葉である。

でも実は、この言葉の裏側にはマネイジメントが上手くいくか、いかないかの要素が

秘められている。過去のメガバンクのときもそうだったように。


あくまでも個人的な見解だが、

“組織経営において重要事項の最終決済権とその責任者は「一人」”というのが

私の持論だ。(取締役会の承認はあくまでも手続き上のこと)


対等だと経営統合に向けての交渉はやりやすい。

しかし、経営統合後のマネイジメントはやりにくい。


これが障害にならなければいいなと思っている。

加藤社長の「対等の精神」と「対等合併」は違うというコメントからもうかがえるように

これはナーバスな問題。


今回の経営統合に向けた最大ハードルは経営統合したあとのマネイジメント(=PMI)

ではないだろうか。

やっかいなのは、そのハードルの高さは経営統合してからでないとわからないということ。


とは言っても私は、キリンビールとサントリーが日本を代表する世界に誇れる

飲料メーカーに成長していくことを切実に願っている。


※ (PMIについては、6月2日のブログを参照)

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コメント


リーダーが必要

はじめまして
社労士をしています井寄です。

M&Aは労務の面で関与させていただくことがあるのですが
私は、「対等」はありえないと思います。
何を決めるにせよ、どちらかのやり方が
基準になっていきますし、ひとつの会社になるんだから
二人の船頭では舟は動きません。

キリンもサントリーも好きな会社なので
両方のよさが残るような統合になるといいなぁと。
今後が楽しみですね。

キリンに知り合いがいるので、進捗状況を
随時リサーチしておきます。
統合後の現場の様子を一番知りたいですね。
自分の仕事的には

Posted by 井寄 奈美 at 2009/07/23 23:35:00 PASS:

そのとおりですね。

井寄さん

おはようございます。
的確なコメントありがとうございます。

今回の統合は成功すれば、これからのM&Aの
あり方そのものを見直すモデルケースになると
思っています。

重要なのは、統合後の会社のあるべき姿です。

上記でいう成功とは、統合したあとの現場が
イキイキしていることを意味します。

モチベーションは業績に反映されます。
人事・労務関係はとても重要な役割になります。

もし、よろしければ可能な範囲で結構ですので、
現場の様子がわかるようでしたら、教えて頂け
れば幸いです。

成長戦略として、今後中小企業が統合していく
ケースも増えてくると思います。
企業の大小に関係なく参考事例になると思います。

辻松

Posted by 辻松 律男 at 2009/07/24 08:05:00 PASS:
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